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電子定款のメリット
電子定款認証を行うメリット
「定款認証にかかる印紙代4万円が不要である」
という点につきます。これは結構大きいです。というか、逆に言うと今電子定款認証をやるメリットはこれぐらいしかありません。
印紙税というのは、契約書や領収書など一定の法的効力を有する書面に収入印紙を貼ることで納める税金ですが、電子定款認証は書面ではなく主体がデータなので、書面でないから印紙税の対象外となっていると解釈されています。
ただ、それなら法律を改正して電子定款認証にも税金を課せばいいのですが、そうしないのは、要するに電子定款認証制度を普及させるための特例だからですですから、この先この印紙代無料は段階的に廃止されていくとは思います。ただ、とりあえずしばらくはこの制度は続くようです。
電子定款認証を利用するデメリットは?
まず、あげられるのは手続の煩雑さと設備投資の高額さです。電子定款認証は行政書士に頼らなくても個人でシステムを導入して行なうこともできます。ただ、まず電子定款認証システムを導入するだけでも非常に手間がかかり、専用ソフトやライセンス購入など費用もかさみます。
したがって、1回だけの利用では明らかに赤字・非効率になります。
行政書士など同じ手続を反復継続行なう立場の者がは導入して効果が出るものだと思います。また、認証方法も慣れれば難しくはないですが最初やる時は非常に面倒で私も最初やった時は混乱してかなり苦労しました。
次に挙げられるのは、迅速さに欠けるという点です。電子定款認証制度を利用すると、定款の文面につき誤字・脱字や会社法に反する条項など、訂正があった場合にそれをするのが非常に面倒になりますので、事前に公証役場に定款の草案を送り、内容に間違いがないかをチェックしてもらった上で、電子認証手続をし、そのデータを公証役場に送り、後日公証役場に出向いて認証された定款の謄本などをもらいます。
従って、従来型の定款認証制度に比べて、若干時間がかかります。定款の文面を3通作成し、公証役場でその場で訂正・認証してもらい、その足で登記所に行って登記をする、という風にはいきません。従って、「明日までに登記をしないと業務に支障が出る」など、期限が非常に迫っている場合は、印紙税4万円払って通常の認証手続をした方が、早く済みます。
会社設立の費用
項目 | 紙での認証 | 電子認証 |
---|---|---|
認証の費用 | 5万円 | 5万円 |
印紙税 | 4万円 | 0円 |
謄本等の費用 | 約2,000円 | 約2,000円 |
登記申請の費用 | 15万円 | 15万円 |
合計 | 約24万2,000円 | 約20万2,000円 |
※合同会社等の持分会社は、公証役場での定款認証は必要ありません。
公証人役場での認証
公証人との打ち合わせで伝えられた日時に公証人役場に出向いて定款の認証を受けます。持参するものは以下のとおりです。
新しいフロッピーディスクまたはCD-R
委任状1通
印鑑証明書 各発起人分1通ずつ
認証手数料 5万円
「同一情報の提供」の書面交付手数料 700円+20円×定款の枚数(通常、800円程度になります)
「電磁的記録の保存」の手数料 300円
出頭したものの身分証明書として、運転免許証か印鑑証明書を持参しなければなりませんが、電子公証の場合、印鑑証明書を身分証明書として認めない公証人役場もあるかも知れませんので、打ち合わせの際に確認しておいてください。印鑑証明書を身分証明書としたときは実印を、それ以外の場合は認印を持参します。定款の認証が終わると、持参したフロッピーディスクまたはCD-Rに認証された定款の情報が書き込まれます。そして、認証された定款と「同一情報の提供」を受けます。これは、定款の謄本に当たるもので、ファイルとして受け取ることもできますが、登記申請のためのものですから、書面で受け取ります。認証された定款の情報は20年間、公証人役場に保存されます。